中国無人機が防空識別圏に 尖閣北飛行、領空侵犯なし

中国の偵察用無人機とみられる航空機=10日午後、東シナ海上空で撮影(防衛省提供)
中国の偵察用無人機とみられる航空機=10日午後、東シナ海上空で撮影(防衛省提供)【拡大】

 防衛省は18日、中国の偵察用無人機とみられる航空機1機が10日午後、沖縄県・尖閣諸島北側の東シナ海を数時間にわたって飛行したと明らかにした。領空の外側に設けられた日本の防空識別圏内を飛んだが、領空侵犯はなかった。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。

 防衛省によると、機体は中国方向から飛来し、一時尖閣の北約160キロまで近づき、中国方向に去った。中国で開発された機体とみられ、防衛省は訓練や情報収集をしていたとみている。1週間以上たってからの公表について「国籍や機種などを特定するための検証、分析に時間がかかった」と説明した。

 中国の無人機に対するスクランブルは昨年5月以来。その時は、尖閣周辺の領海に侵入した中国海警局の船から小型無人機ドローンのような物体1機が領空侵犯した。