茨城県が12保健所再編を検討 6月までに意見書、所長兼務や区割り課題 (1/2ページ)

保健所再編検討懇話会の冒頭であいさつする県保健福祉部の木庭愛部長=16日、県庁
保健所再編検討懇話会の冒頭であいさつする県保健福祉部の木庭愛部長=16日、県庁【拡大】

 茨城県は12カ所ある保健所について再編を検討し始めた。医師不足などに伴い、保健所の所長や職員の人手不足などの問題が表面化しているためだ。16日には大学教授や業界団体の代表らが出席して、再編検討懇話会が開かれた。6月までに3回の会合を開き意見書をまとめる予定だが、委員の一部からは「急すぎる」との声も相次いでいる。(鴨川一也)

 懇話会で示された問題点は▽保健所の管轄区域と「2次保健医療圏」の不一致▽中核市に移行する水戸市が独自の保健所を設置することへの対応-など。

 地域保健法によると、保健所の管轄区域は2次保健医療圏とおおむね一致するよう定められているが、県内の一部地域では不一致が生じている。

 例えば4市町を管轄している常総保健所では、常総市はつくば保健医療圏、坂東市は古河・坂東保健医療圏、下妻市と八千代町は筑西・下妻保健医療圏に属し、同保健所が管轄する自治体は3つの2次保健医療圏に分かれている。

 職員の人手不足も深刻だ。特に保健所長は昨年度一時的に6カ所で空席となり、他の所長が兼務するなど厳しい状態が恒常化している。人口10万人当たりの医師数が全国ワースト2位と慢性的な医師不足で、所長になる人材をいかに確保するかが課題となっている。

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