【データで読む】米中貿易摩擦 次世代技術などめぐる覇権争いに

中国の習近平国家主席(左)とトランプ米大統領=2017年11月9日、北京・人民大会堂前(ブルームバーグ)
中国の習近平国家主席(左)とトランプ米大統領=2017年11月9日、北京・人民大会堂前(ブルームバーグ)【拡大】

 米国のトランプ大統領と中国の習国家主席は、2017年4月の首脳会談で貿易不均衡是正を議論し、「米中貿易100日計画」を公表、一定の進展をみた。しかし、米国の対中赤字の抜本的な是正には至っておらず、米国は今年3月に知的財産権の侵害を理由に、電気機械や一般機器などのハイテク分野をはじめ、中国からの輸入500億ドル(約5兆3800億円)に25%の関税を課すなどの制裁案を表明。対する中国も農産品、航空機、車など米国からの同額の輸入に関税を課す姿勢を示すなど、米中の応酬が続く中、世界的に貿易戦争への懸念が強まっている。

 17年の中国の対米輸出は約5000億ドル、米国の対中輸出は1300億ドルとなっている。トランプ大統領は、中国からの輸入に関税を課す範囲を1500億ドルに拡大する可能性を示したが、中国は米国からの全輸入に課税しても同規模での報復はできない。中国は、中国人の米国旅行の制限、自動車など米製品の不買運動、さらに世界最大の残高を持つ米国債の売却など、関税以外の分野で報復する可能性も取り沙汰されている。

 もちろん、こうした応酬は相手から好条件を引き出すための交渉材料であり、両国が不毛な貿易戦争を望んでいるわけではない。中国は、自由貿易のリーダーという立場を示しつつ、自動車や金融など、閉鎖的だった分野の市場開放のほか、知的財産権の保護強化などを表明している。

 しかし、両国が念頭に置くのは、貿易不均衡の是正だけではない。5G通信や人工知能(AI)などの次世代技術をはじめ、将来に向けた経済面での覇権争いの側面が強まっている。(編集協力=日本政策投資銀行)