自動運転車に思わぬ敵「太陽嵐」

 過度の日光が、来るべき自動運転車に問題を引き起こす恐れがあることが分かった。

 危険をもたらすのは、太陽から大量の物質とエネルギーが爆発的に噴出して地球の磁場を乱す「太陽嵐」だ。太陽嵐は人間のドライバーには即座に感知されないものの、自動車の衛星利用測位システム(GPS)と位置情報を提供する衛星のデータ接続を断ち切る可能性がある。技術者らが十分な注意を払わなければ、現在開発中の無人自動車は支障を来すかもしれない。

 米大気研究センターの高高度観測所担当ディレクター、スコット・マッキントッシュ氏は、2200キログラムを超えるような自動車をA地点からB地点に移動させる方法のプログラミングにおいて、自動運転システムはGPSに過度に依存すべきでないと警告する。太陽に問題が起こったとき、コンピューターに制御された自動車の大群は停止し、接続が回復するのを待つことになるという。

 太陽嵐は5段階に分類され、最強クラスになると国際送電網を損傷し、人工衛星を機能停止に陥らせ、地球の日の当たる側で無線通信を不能にする可能性がある。マッキントッシュ氏は、人間やロボットのドライバーがこうした遮断の原因を知ることができるよう、天気予報に「宇宙天気」が含まれる日が来ると想像している。

 3年前、米国は160万キロメートルの深宇宙に人工衛星を打ち上げた。太陽嵐が発生すれば、米宇宙天気予報センターが公共施設や航空会社など、大気情報に大きく依存している産業に情報提供を行う。大抵の場合、荷電粒子が大混乱をもたらし始める30~60分前には地球に情報が届く。

 昨年9月にはこの情報が役立った。人工衛星が太陽でのコロナガスの噴出を記録し、北極や南極に向かう航空便が経路を変更した。「これは私たちが文明とともに繰り広げるゲームだ」とマッキントッシュ氏は話す。

 自動運転車を開発する技術者らはすでに、太陽を出し抜くための対策を講じている。「自動運転システムは主に各種センサーをナビゲーションの基盤とし、少なくとも自動車には太陽に異常が発生した際、静かに片側によって停止する十分な余力がある」と、米半導体メーカー、エヌビディアの自動車部門担当シニアディレクター、ダニー・シャピロ氏は話す。自動運転車はオンライン接続が阻害された場合でも、問題なく作動するとしている。

 「車線変更のような詳細な計測を要する作業では、全てのデータを宇宙に飛ばして戻りを待つような時間はない」とシャピロ氏は述べた。(ブルームバーグ Kyle Stock、Brian K Sullivan)