地球を救うペット用「人工肉」 (1/3ページ)

ブルーバッファローのドッグフード(ブルームバーグ)
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 健康にこだわる米国の食の風景においては、既存の何かを菜食主義者用に変えることが新たな発想を生む最短ルートだ。カリフォルニア州バークリーの新興企業ワイルドアースは、ペットフードの分野でこの道を行く。研究室育ちの人工肉をタンパク源としてペットに与えるという手法だ。

 その市場規模は並大抵ではない。米国では68%の世帯がペットと暮らし、犬猫の飼育数は1億8400万頭に及ぶ。家族の一員たるペットへのご飯代として、米国民は年間300億ドル(約3兆2900億円)近くを投じている。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のグレゴリー・オーキン教授は、かわいらしいペットたちが環境にどんな影響を与えるかという新たな視点による研究を発表した。それによると、米在住の犬猫が主権国家を作るとしたら食肉消費量で世界5位に入り、彼らの動物由来カロリー摂取量は米国全体の約33%に及ぶという。

 「大型犬は人間よりも多くの肉を食べている」と、獣医栄養士のケリン・ハインツ氏は指摘する。オーキン教授によれば、犬猫による食肉消費は年間6400万トンの温室効果ガスの排出に関与している。ペット用人工肉の開発はこうした状況を抑制し、家畜の飼養に必要な水や土地の利用削減につながるかもしれない。これを皮切りに、ゆくゆくは冷蔵庫内のあらゆる肉を代替品に変えていく道が開かれる可能性もある。

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