【ビジネスアイコラム】気になるインドでの米国不在 中国、北朝鮮優先で手が回らず? (2/2ページ)

 インドで米国に懐疑的な見方は最近、増しているのかもしれない。親米的な論調が多い英字紙インディアン・エクスプレス(電子版)もモディ氏の訪中に合わせ、米国に批判的な寄稿文を掲載していた。

 筆者のカーネギー・インドセンター所長、C・ラジャ・モハン氏は保護主義政策やパリ協定からの離脱を憂えた。さらに、トランプ氏のことを米国内、国際の双方の政治で「未熟者といえるだろう」とこき下ろした。

 インドは冷戦時代、非同盟を掲げる一方で、ソ連との友好関係を築いた。冷戦終結後、米国など西側との関係を発展させ、オバマ前米大統領は、在任中に2度も訪印した。これは米大統領としては初めてのことだった。モディ氏は官僚が伝統的な全方位外交を重んじる中で、親米的な政策を進めてきた。

 だが、最近の米国のインドへの態度はどちらかといえば「無関心」といえるかもしれない。

 先月20日、東京でインタビューに応じた米ヘリテージ財団創設者で前会長のエドウィン・フルナー氏は「トランプ氏にとって最優先事項はインドではない。現在はまさに北アジアなのだ」と述べ、米大統領は北朝鮮や中国情勢にしか手が回っていないとの認識を示した。

 しかし、今後、安全保障や経済で中国に対抗していくためにはインドをパートナーとしてつなぎ留めておくことが重要であることは自明の理といえるだろう。(産経新聞外信部次長 岩田智雄)