制裁で窮状のZTE 米中通商協議の焦点に浮上 トランプ氏は交渉カードに


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  • 北京市内の電化製品店に並ぶ中興通訊(ZTE)の商品=11日(共同)

 トランプ米政権から制裁措置を受けている中興通訊(ZTE)が米中通商協議の焦点のひとつになっている。ZTEは制裁により部品調達ができない苦境に立たされており、中国は対応を求めているが、米国は制裁緩和を切り札にして揺さぶりをかけている。

 ZTEは深セン市に本拠を置き、スマートフォンや通信ネットワーク機器を製造、販売している。高機能スマホを低価格帯で売り出し、米国市場での2018年1~3月期のシェア(出荷台数ベース)は11%。米アップルや韓国サムスン電子などに続く4位だ。

 米商務省は4月中旬、ZTEがイランや北朝鮮に対する制裁に違反したとして、米企業に対してZTEへの部品供給を禁じる制裁を発動。中核部品の供給を米企業に依存していたZTEは今月に入り、製造・販売ができずに経営危機に陥った。中国側は米国に「厳正な申し入れ」を行ったとしている。

 窮状にあるZTEについてトランプ大統領は13日、ツイッターで「中国であまりに多くの雇用が失われた」と指摘。制裁停止や緩和を念頭に置いた対処を商務省に指示したと述べた。しかし16日には「ZTEに関しては何も起きていない」と一転。「もっと譲歩せよ」と中国に迫った。ZTEを交渉カードとし、中国が米農産物にかける報復関税の解除を迫っているともみられている。

 一方、米議会ではトランプ氏が一時的にせよ制裁緩和を示唆したことについて「厳しい対処を実行する前に大統領は(対中姿勢を)後退させた」(民主党上院トップのシューマー院内総務)などの批判が噴出している。トランプ氏は今回の協議で世論をにらみながら落としどころを探る難しい判断が迫られそうだ。(ワシントン 塩原永久)