ベトナム、アフリカ産カシューナッツ高騰で輸入停止 カンボジア産に移行

食品工場で加工されたカシューナッツ(ブルームバーグ)
食品工場で加工されたカシューナッツ(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、カシューナッツ加工産業界が輸入戦略の見直しを進めている。カンボジアなどからの輸入を増やし、アフリカ諸国からの輸入を減らす方針だ。産業団体のベトナム・カシューナッツ協会(ビナカス)が明らかにした。背景にはアフリカ産カシューナッツの価格高騰がある。国営ベトナム・ニューズが報じた。

 ビナカスによると、ベトナムの輸入業者は3月、取引価格の上昇を受けてアフリカ産カシューナッツの輸入を一時的に停止した。ビナカスのダン・ホアン・ザン副会長は、2017年のアフリカ産カシューナッツの1トン当たり平均価格が1956ドル(約21万5700円)で前年より30~40%値上がりしたと指摘する。これに対し、加工カシューナッツの世界的な販売価格の伸びは10~15%にとどまったという。

 アフリカ産カシューナッツの国際取引価格の高騰はまだ収まらず、今年1~2月は1トン当たり2000~2100ドルまで上昇している。ビナカスのグエン・ドゥク・タイン会長は「現在の水準はベトナムの加工業者にとって赤字価格だ」と述べた。

 ベトナムでは昨年、国内のカシューナッツ収穫量が落ち込んだため、加工業者は過去最高となる130万トン余りを輸入した。輸入相手国は、コートジボワール、ナイジェリア、タンザニア、ガーナのアフリカ諸国とカンボジアなどを中心に32カ国・地域におよぶ。

 一方、国内のカシューナッツ収穫量は昨年の25万トンから今年は40万トンに増えると見込まれている。南部ビンフォク省のカシューナッツ加工会社の幹部は、国内収穫量の増加に伴い、今年のカシューナッツ輸入量は95万~100万トンに減少するとの見通しを示した。さらに、カンボジアからの輸入が大幅に拡大し、アフリカ諸国への輸入依存度を軽減できるとビナカスのタン会長は見込んでいる。

 ビナカスは現在、カンボジアの農林水産省と共同でカシューナッツ栽培地の開拓を進めており、今後10年間で生産量を100万トン増やす計画だ。(シンガポール支局)