急成長アントに迫る新規制 顧客8.7億人、運営誤れば社会混乱 (1/2ページ)

香港の化粧品小売り大手、莎莎国際集団のレジの前に置かれたアリペイのサービスが利用できることを告げる看板(ブルームバーグ)
香港の化粧品小売り大手、莎莎国際集団のレジの前に置かれたアリペイのサービスが利用できることを告げる看板(ブルームバーグ)【拡大】

  • 早稲田大学で講演する馬雲氏=4月25日、東京(ブルームバーグ)

 地球上のどこを探しても●蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル)のような企業はない。

 中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループを創業した馬雲氏が率いるアントは、オンライン決済から保険、融資、信用記録、資産運用などに至る多岐にわたる事業を展開。米国のペイパルやガイコ、ウェルズ・ファーゴ、エキファックス、それにブラックロックが手掛けるそれぞれの事業の一部を全て1社で提供するような会社だ。

 大き過ぎてつぶせず

 優秀なモバイルアプリと中国のミドルクラス台頭のおかげで、アントの「余額宝」はマネー・マーケット・ファンド(MMF)としては世界最大に成長。同社は3カ月ごとに2兆4000億ドル(約264兆7200億円)余りのモバイル決済を扱う。アントの顧客数は8億7000万人に上り、その多くにとって日々の生活の中でのほぼ全ての金融・財務取引で同社は欠かせない存在となっている。

 だが、こうした急成長こそがアントに難題を突き付けている。中国当局はアントなどの金融会社が12兆7000億ドル規模の中国経済にとってのシステミックリスクとなり得ることを懸念しており、これら企業の成長を難しくする可能性のある新たな規制を準備している。

 中国人民大学の董希★上級研究員は「日の出の勢いを見せるアントへの当局の対応は若干鈍いが、何か手を打たなければならないというのが現在のコンセンサスだ」と指摘。「アントは大き過ぎてつぶせなくなってしまった。どんなミスであれ、市場のみならず社会の混乱につながる恐れがある」と話す。

続きを読む