【中国を読む】米中貿易摩擦、市場への波及 (1/3ページ)

 □第一生命経済研究所・西濱徹

 米中間の貿易摩擦をめぐっては、双方が貿易制裁を発動したほか、追加制裁の可能性も出るなど厳しい状況にある。現時点において発動段階にある貿易制裁は、全体の一部に限られており、目立った形で問題が表面化する事態には至っていない。しかし、金融市場においては実体経済への影響を先回りする動きが表面化しており、事態が長期化すれば実体経済に波及するリスクもある。今回は、既に表面化している金融市場の動きとその影響について考察することにしたい。

 穀物先物が上昇基調

 米トランプ政権は3月、鉄鋼およびアルミニウム製品に対する貿易制裁を発動したほか、中国に対して「知的財産権の侵害」を理由に通商法301条を適用する形で約1300品目、年間輸入額500億ドル(約5兆5370億円)相当に対して25%の追加関税を課す方針を明らかにしている。

 中国政府は、鉄鋼およびアルミ製品への制裁発動を受け、対抗措置として米国からの輸入品128品目に追加関税を課す方針を発表。さらに、中国を狙い打ちにした個別制裁発表を受けて、106品目、年間輸入額500億ドル相当に対する追加制裁を発表するなど、両国による制裁合戦の様相をみせている。

 なお、現時点では米国による鉄鋼およびアルミ製品、中国による128品目を対象とする制裁が発動済みである一方、これら以外は発動に向けた準備段階にとどまる。

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