インドネシアで海洋プラごみ深刻化 政府は対象製品に物品税も検討

南スラウェシ州にあるごみの山。インドネシアはプラスチックごみ問題が深刻化している(ブルームバーグ)
南スラウェシ州にあるごみの山。インドネシアはプラスチックごみ問題が深刻化している(ブルームバーグ)【拡大】

 インドネシアは、観光地のバリ島周辺などの海に漂うプラスチックごみの問題が深刻化している。政府はプラスチック製品が対象の物品税を導入する方向だ。産業界からは反発の声も上がっている。現地紙ジャカルタ・ポストが報じた。

 財務省のヘル・パンブディ関税税務担当長官は、プラスチック製品に物品税を導入する法案について関連省庁と協議していると述べた。また政府は、砂糖飲料や排ガスへの課税も検討している。

 ヘル氏は、物品税の導入により、財務省が5000億ルピア(約39億円)の増収を見込んでいるとも話した。すべての物品税を合わせた税収(148兆ルピア)と比較するとわずかだが、プラスチックごみの削減につながると期待する。

 一方、インドネシア・オレフィン・プラスチック産業協会は規制案に反発している。問題の根源はごみ処理に対する政府の対応不備にあり、プラスチック製品の利用拡大によるものではないと声明を発表。物品税の導入が決定されれば、中小企業が多いプラスチック関連業界は広く打撃を受けると主張した。

 プラスチックごみ問題は、3月上旬に英国人ダイバーがバリ島近海のヌサペニダで撮影した動画が広まったことをきっかけに、国内で一気に関心が高まった。インドネシアは中国に次いで世界で2番目に海洋プラスチックごみが多いとされる。国全体で大量のプラスチックごみが排出され、海の生態系に大きな脅威となっている。3月下旬にはジャカルタ湾から100トンを超えるプラスチックごみが回収された。

 シティ・ヌルバヤ環境・林業相は、海洋汚染につながるプラスチックごみはすべての関係者が協力して取り組むべき重大な問題だと懸念を示した。政府は2025年までに海洋ごみを75%削減する目標を掲げている。(シンガポール支局)