G7、米の輸入制限に「懸念と失望」 トランプ氏に異例の伝達要請

 カナダ・ウィスラーで開かれた先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が2日(日本時間3日)、閉幕した。米国の鉄鋼輸入制限をめぐる対立は解けず、カナダが急遽(きゅうきょ)発表した議長総括では米国以外の6カ国の「懸念と失望」をトランプ米大統領に伝えるよう要請した。成果文書で特定国を名指しして非難するのは異例。

 議長総括では、日本や欧州各国、カナダを対象とした米国の鉄鋼・アルミニウムの輸入制限が「開かれた貿易や世界経済システムの信頼性を損なう」と批判。米国の一方的措置がG7内の国に向けられて「協調が危険にさらされている」と指摘した。

 文書は、通商分野の議論を8日からのG7首脳会議(サミット)に持ち越した上で、「自由で公正、互恵的な貿易を進める協調」を取り戻すため、G7首脳による「断固たる行動」を求めている。

 閉幕後に記者会見した麻生太郎財務相は、「G7として中国に国際ルールの順守を強調していくべきときに、米国が違反をして中国を利することになっている」と述べた。

 ムニューシン米財務長官は記者会見で、G7が通商以外の多くの分野で「完全に結束している」とし、米国が孤立しているとの見方を否定。ただ、トランプ氏は2日、ツイッターに「年間8000億ドル(約90兆円)近くの貿易赤字があるのに、貿易戦争に負けるわけにはいかない」と投稿した。

 一方、会議では、金融インフラに対する大規模なサイバー攻撃への対応でG7が緊密に協力することで一致。仮想通貨の規制強化での連携も確認した。米金融政策の正常化が進む中、一部新興国の通貨が急落したことを念頭にリスクの監視を続けることで合意した。(カナダ西部ウィスラー 塩原永久)