伊のミニBOT計画に懸念 アナリスト「財政傷める並行通貨に道」

 イタリアで連立政権を発足させる見通しとなった反エスタブリッシュメント(既存勢力)政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」が、短期財務証券(BOT)にちなんでミニBOTと呼ばれる少額の短期債券を発行し、国の未払い金の支払いに充てる可能性の検討を提案している。これを受けてイタリア資産のリスクプレミアムが急上昇した。ミニBOTが実現すれば、並行通貨の発行につながりかねないとアナリストは特に懸念している。

 クレディ・アグリコルのG10通貨調査責任者、ワレンティン・マリノフ氏は「ミニBOT発行をめぐる臆測が、ユーロ相場の弱さとイタリア国債(BTP)相場下落の主な要因の一つだ」と分析する。「政府債務の支払いにミニBOTを活用すれば、イタリアの国家財政の持続可能性だけでなく、同国のユーロ圏残留についてさえ不安をあおる可能性がある」と指摘した。また、ミニBOTの発行はイタリアが欧州連合(EU)の公共支出および借り入れ制限を回避しようとしているという懸念をかき立てる恐れがあると危惧する。

 カナダのトロント・ドミニオン銀行のストラテジストのリチャード・ケリー氏は「新たな政権が、ミニBOTのアイデアを含めて、フロントエンドの国債発行を増やすのではないかという懸念が高まった」と指摘する。(ブルームバーグ Marco Bertacche、John Ainger)