都議会開会 受動喫煙防止の審議に意欲 小池百合子都知事「健康ファーストの政策」

 都議会の定例会が12日、開会した。2020年東京五輪・パラリンピック(東京大会)を見据え、従業員を雇う飲食店は面積にかかわらず原則屋内禁煙とする、国より厳しい規制を行う独自の受動喫煙防止条例案などが審議される。

 小池百合子知事は同条例案について、自ら受動喫煙を防ぐことが難しい従業員や、子供を守る目的があると指摘、「人に着目した『健康ファースト』の政策。東京大会のホストシティーにふさわしい対策を進め、誰もが快適に過ごすことができる社会を未来へと受け渡していきたい」と所信表明した。

 条例案は、学校や病院、行政機関では敷地内禁煙▽幼稚園や保育所、小中高校では屋外への喫煙場所設置も禁止-とする一方、国の健康増進法改正案との整合性をとり、加熱式たばこは専用喫煙室を設けて分煙にすれば喫煙でき、飲食も可能とした。

 豊洲市場(江東区)の観光拠点「千客万来施設」の着工が東京大会後になることについては、小池氏が「事業者との真摯(しんし)な協議を尽くし、提案をいただいた。地元江東区の理解も頂戴したうえで、新たな豊洲ブランドの確立、魅力発信などにつなげていくよう知恵を絞って取り組む」と述べた。これに対し、一部の都議からは「自分で決めたのだろう」「(判断が)遅い」などのヤジが飛んだ。

 東京大会の開催期間を含む3カ月間、都内のホテルや旅館の利用者から徴収する宿泊税を免除する改正条例案も提出される。会期は27日まで。