【論風】リベラルアーツの強化急務、真の教育革新待ったなし (3/3ページ)

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 国語は、小学校でも最大の時間枠を取りながら、そのカリキュラムを縛っている旧態然とした学習指導要領の体系(しかも、あまりにも利害団体の調整が大変なので10年に1度しか改訂できない)が、読書をしない国語嫌いの子供たちを量産している。知的概念を凝縮している漢字(語彙)の習得は、学年別に制限され、しかも6年間学んでも常用漢字の半分に及ばず、読書はおろか試験問題の理解すらできない。

 各分野の専門家を集めただけの利害調整の行政では、このような事態を打破することはできない。明治以来の教育革新は、待ったなしの状況だ。

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【プロフィル】土居征夫

 どい・ゆきお 東大法卒。1965年通商産業省(現経済産業省)入省。生活産業局長を経て94年に退官。商工中金理事、NEC常務を経て、2004年以降、企業活力研究所理事長、学校法人城西大学特任教授などを歴任。10年10月から現職。76歳。東京都出身。