輸入制限反対でEUと共闘 日本、WTO対米協議に参加要請

国内大手鉄鋼会社の製鉄所。米鉄鋼輸入制限の影響を受けかねない(ブルームバーグ)
国内大手鉄鋼会社の製鉄所。米鉄鋼輸入制限の影響を受けかねない(ブルームバーグ)【拡大】

  • 輸入制限めぐる日米欧の構図

 米国が発動した鉄鋼輸入制限をめぐって欧州連合(EU)が世界貿易機関(WTO)に設置を求めている2国間協議に、日本政府が第三国としての参加を要請したことが14日分かった。日本は輸入制限に反対する立場からEUと「共闘」する姿勢を示し、自動車の輸入制限も検討するなど保護主義的な性格を強めるトランプ米政権を牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。

 8日付でWTOに参加意向を通知した。米国が認めれば日本も参加できる見通しで、米欧の議論を傍聴して情報収集することが可能になる。

 2国間協議はWTOの紛争解決手続きの一環。EUは1日に米提訴の手続きに入った。協議が不調に終われば、裁判の一審に当たる紛争処理小委員会(パネル)の手続きに移行する。カナダやメキシコも米国との2国間協議を要請しており、日本はこれらの協議にも参加する意向を通知した。

 米国は鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課す輸入制限を3月に発動した。EU、カナダ、メキシコに対しては通商交渉で譲歩を引き出すことを狙い、暫定的に適用除外としていたが、今月1日に対象に含める措置に踏み切った。

 日本は当初から制限対象となっている。麻生太郎財務相は国際会議出席のため訪問したカナダで1日、WTOへの提訴手続きについて「今の段階で決まっていないが準備はしている」と言及。政府として今後、提訴を含め対抗措置を検討する意向を明らかにした。

 政府は、米商務省が今後公表する品目別の適用除外製品を精査した上で、日本への影響を見極める。7月に始まる新たな日米貿易協議での議論も踏まえ、対応を検討する方針だ。