EV電池の中国CATL、利益率低下 IPO、当初目標より控え目

 世界最大の電気自動車(EV)バッテリーメーカー、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)は当初より控えめな深センでの新規株式公開(IPO)計画を公表した。

 CATLが発表した資料によれば、同社は株式10%を1株当たり25.14元で公開する計画。同社の価値を約85億ドル(約9300億円)と評価する価格設定で、昨年後半に同社が示していた目標(約200億ドル)を大きく下回る水準だ。

 IPOで集める見込み額も半分以下の54億6000万元(約940億円)に引き下げた。サンフォード・C・バーンスタインの香港在勤アナリスト、ロビン・チュー氏は「必要であれば他の資金調達源を見つけることが恐らく可能であり、大きな懸念材料にはならないだろう」としながらも、「重要な問題は利益率の低下だ」と指摘した。

 CATLの粗利益率は昨年9.5ポイント低下し35%。政府がEV補助金の縮小を進めていることから、今後も低下し続ける可能性が高いとしている。

 ドイツのフォルクスワーゲン(VW)やBMW、日産自動車、韓国の現代自動車などの自動車メーカーを顧客とするCATLは昨年、パナソニックを抜き、EVバッテリー供給で売り上げ世界一となった。国内需要の拡大が寄与した。

 CATLの担当者は株価収益率(PER)規制がIPO目標引き下げの理由だとしたが、事業拡大に向けIPO以外で資金を調達するかどうかについてはコメントを控えた。バーンスタインのチュー氏によると、中国当局はIPO時におけるPERが23倍を超えないよう暗黙のルールを課している。(ブルームバーグ Jie Ma)