コムキャスト、フォックス買収で提示 ディズニー案に19%上乗せ

米コムキャストの本社ビルから出てくる女性ら=米ペンシルベニア州フィラデルフィア(ブルームバーグ)
米コムキャストの本社ビルから出てくる女性ら=米ペンシルベニア州フィラデルフィア(ブルームバーグ)【拡大】

 米メディア・娯楽大手コムキャストは13日、21世紀フォックスに対し、娯楽部門を650億ドル(約7兆1700億円)で買収する案を提示した。提案内容は米ウォルト・ディズニーが提案した524億ドルを約19%上回り、争奪戦の様相を呈している。

 コムキャストが買収案提示に動いた背景には、米裁判所が12日、米AT&Tによるタイム・ワーナー(TW)買収差し止めを求めた米司法省の訴えを退けたことがある。

 ディズニーとコムキャストが獲得を目指している娯楽資産には、映画・テレビ番組制作スタジオやFXといったテレビのネットワーク、英スカイなどが含まれる。コムキャストのブライアン・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は今回の買収案で、フォックスの資産を活用して既に膨大な娯楽資産のさらなる増強を図るディズニーのロバート・アイガーCEOの計画を阻止しようとしている。

 コムキャストがフォックスに初めて買収を打診したのは昨年で、非公式なものだった。フォックスのメディア資産に対する買収提示額はディズニーより16%高かったが、リスクが高いとみなされた。ただ、AT&Tがタイム・ワーナー買収をめぐり勝訴したことで、こうした懸案の一部は取り払われた。

 当時のコムキャストからの提案は違約金の提供が記載されていなかったことも、フォックス側へのアピールを欠いた。コムキャストは先月、新たな提案はフォックス株主にとってディズニーの条件と少なくとも同程度に好ましいものになると説明。13日に公表した提案には25億ドルの違約金が盛り込まれた。

 ディズニーはフォックスの資産を全て株式交換を通じて買収することを提案し、昨年12月に合意した。コムキャストが正式に買収案を提示したことで、ディズニーには条件引き上げの圧力がかかる。(ブルームバーグ Gerry Smith)