成長戦略のポイント 自動運転 次世代システム構築目指す

自動運転の実証実験で、新東名高速道路を隊列走行する3台のトラック=1月23日、浜松市
自動運転の実証実験で、新東名高速道路を隊列走行する3台のトラック=1月23日、浜松市【拡大】

 「自動化」では、自動運転技術だけでなく公共交通のあり方も含め、次世代モビリティ・システムの構築を掲げた。担い手不足が深刻な物流現場の効率化、交通事故削減や過疎地域の移動弱者に対する交通手段の確保など、社会課題の解決策を提示したほか、自動運転にまつわる技術開発競争で、優位に立つねらいもある。

 具体策として挙げたのは地域限定型の無人自動運転移動サービスだ。2020年に公道でのサービス実現を目指し、実際のニーズに近い形態で実証実験を進める。同年の東京五輪・パラリンピック大会で最先端の自動運転技術を発信できるよう、羽田空港や臨海地域などで無人車両の遠隔運行などの実証実験を視野に、通信インフラ整備などを来年度までに行う。一方、空港サービスの向上のため、空港内での自動運転車両の実証実験は今年度に行う方針だ。

 トラック運転手の負担軽減に向けて、高速道路でのトラック隊列走行のうち、先頭車両だけでなく後続車にも人が乗った状態で自動運転による隊列走行を維持する「後続車有人システム」を21年までに商業化することを目指し、官民で具体的な議論を進める。