米追加関税、低迷中国市場に追い打ち ハイテク産業に逆風

上海市内にある証券会社の店舗で株価ボードを眺める投資家ら(ブルームバーグ)
上海市内にある証券会社の店舗で株価ボードを眺める投資家ら(ブルームバーグ)【拡大】

 米政府による340億ドル(約3兆7400億円)相当の中国製品への追加関税は約2年ぶりの安値圏に低迷している中国株に追い打ちをかけることになりそうだ。

 ホワイトハウスは先週、中国の知的財産権侵害への対応で25%の追加関税の第1弾を7月6日に発動すると発表したが、関税の標的は、中国の習近平国家主席が掲げるハイテク産業育成計画「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」で取り上げられた産業だ。例えばプリント基板メーカーで中国最大手の深南電路は、昨年12月の新規株式公開(IPO)以来、株価が3倍に高騰している。

 IGアジアの市場ストラテジスト、ジンイ・パン氏(シンガポール在勤)は電話インタビューで、「成長の面では、あまり大きな落ち込みになりそうにないが、株価の観点では相場を一変させかねない懸念要因だ。投資家は中国経済減速と米ドルの上昇にも向き合わざるを得ない状況にあり、中国本土株の下げは深まりそうだ」と予想した。

 米中貿易摩擦の深刻化は中国株式市場のセンチメントに打撃を与える。既に減速している中国経済に貿易摩擦が追い打ちをかけるとの懸念で株式市場の出来高は減少。昨年人気が高かったハイテク株投資というテーマに直接的な逆風となる。

 中国政府は先週、対抗措置を講じ、通商に関するこれまでのコミットメントを白紙撤回すると表明した。中国は中国製造2025の大幅変更を受け入れない姿勢を示しており、米中間の溝が深まる中で、アナリストらは貿易摩擦が消耗戦になるとの見方を強めている。(ブルームバーグ Matthew Burgess)