米、中国の対米投資制限へ 知的財産権侵害で制裁

 米国は中国による知的財産権侵害への制裁措置として、財務省が29日に中国による対米投資の制限を公表する予定であることが分かった。重要な技術を含む製品の対中輸出の規制も強化する。貿易摩擦をめぐる米中のチキンレースは今後2週間内に重要な節目を迎える。

 投資制限は中国の先端産業育成政策「中国製造2025」で重視される航空宇宙やロボット工学、新エネルギー車などが対象の中心となる。

 関係者によると、米政権は国際緊急経済権限法(IEEPA)を発動し、中国による投資を制限する見込み。IEEPAでは、大統領が安全保障上の懸念に基づき一方的に投資制限を課す権限がある。

 関係者によると、米議会は外国投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の権限強化に向けた措置を進めており、投資制限はその一環とみられる。投資制限は中国製造2025で発展が期待される分野に段階的に発動される見通しだという。

 また、7月6日には中国からの輸入品340億ドル(約3兆7200億円)相当への関税を発動する。さらに意見公募期間を経て160億ドル相当の輸入品に追加関税が課される。

 米中の貿易摩擦をめぐっては、米国が15日に中国からの輸入品500億ドル相当への25%の追加関税措置を発表したばかり。中国が直ちに報復関税を課す意向を表明したため、トランプ米大統領は18日、中国からの輸入品2000億ドル相当に追加関税を適用すると警告した。

 世界的な貿易戦争のリスクは数カ月にわたり金融市場に混乱を引き起こしており、国際通貨基金(IMF)は米中間の貿易摩擦を理由に世界の経済成長の減速を警告している。

 米国による計画が実施された場合、米中間の摩擦は解消不可能になる事態も考えられる。

 IMFのラガルド専務理事は先月、「貿易戦争に勝者はいない。一般的には双方が敗者となる」と指摘した。

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は24日、中国は米中貿易摩擦がエスカレートする中でも、国内で事業活動する米国企業を標的にする計画はないと報じた。しかし、米政権が追加措置を講じればこの方針は変更される可能性がある。(ブルームバーグ Jenny Leonard、Randall Woods)