個人データ、安全に国外転送 北欧2カ国が初の「ハイウエー」連携 (1/2ページ)

 ソーシャルメディアのデータ漏洩(ろうえい)や外国からのハッキングによる選挙への干渉などが表面化していることを受け、個人の機密情報を安全に外国に転送できる能力の重要性がこれまでにないほど高まっている。そんな中、欧州のデジタル先進国であるフィンランドとエストニアが、この能力を獲得しようとしている。

 地政学的リスク背景

 エストニアを訪れるフィンランド人は、間もなくエストニアの全ての薬局で、医師の処方箋を入手できるようになる。現在フィンランドで雇用されている約10万人のエストニア人は、自国の税務当局に給与明細書を送って簡単に納税申告を済ませられるようになる。

 このような施策を可能にするのは、一般市民のニーズを満たすために設計された世界初の安全な国際データハイウエー、通称「Xロード」だ。ソフトの設計図を無償公開し、外部の技術者が開発に参加できるオープンソースと呼ばれる手法を利用するXロードは、これ以外にも運転免許証、死亡証明書、商業登記簿上の企業データの共有など幅広い用途で活用できる可能性がある。

 Xロードはセキュリティー面を重視して設計された。フィンランドとエストニアはともにロシアの隣国であり、軍事力とサイバー攻撃などの非軍事力を合わせた「ハイブリッド戦争」に周到に備えている。エストニアの首都タリンには北大西洋条約機構(NATO)のサイバー防衛センターの拠点があり、フィンランドのヘルシンキにはハイブリッド脅威の専門研究機関がある。

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