ベトナム、発電所の石炭灰処理に苦慮 保管スペース不足想定

発電所の前を通り過ぎる女性=ベトナム南部ホーチミン郊外(ブルームバーグ)
発電所の前を通り過ぎる女性=ベトナム南部ホーチミン郊外(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、石炭火力発電所から排出される石炭灰の処理に苦慮している。処理が追いつかず、近い将来、保管スペースが不足する可能性がある。商工省産業安全・環境局によれば、2017年の排出量は1220万トンに達した一方、処理量は400万トンにとどまった。未処理の石炭灰は合計2520万トンに拡大している。国営ベトナム・ニューズが報じた。

 同国の電力マスタープラン(改訂版)によれば、2030年までに52基の石炭火力発電所が稼働し、総発電能力は5225万キロワットに達する見込みだ。今後、数年内に適切な対策が講じられなければ、石炭灰の保管スペースが不足すると想定されている。

 産業安全・環境局のファム・チョン・トゥク副局長は「石炭火力発電所が石炭灰の最大の発生源だ」と指摘する。石炭火力発電所では1キロワット時の発電につき0.9~1.5キログラムの石炭灰が排出される。現在、国内で23の石炭火力発電所が稼働しており、年間に約1220万トンの石炭灰が排出される計算だ。石炭火力発電所は60%が北部に集中し、中部は21%、南部は19%となっている。ファム副局長は「包括的かつ効率的な政策運営に向けて緻密なリスク評価を行うことが重要になる」と指摘する。また、「石炭灰をセメントや建材などに再利用するよう政府当局が奨励する一方で、生産過程で不具合が生じて製品の販売が困難になり、石炭灰の未処理量が急増した」と補足した。

 建材専門家のバク・ディン・ティエン氏は「石炭灰が適切に処理されれば、年間数百万トンの鉱物の節約につながる」とみる。チン・ディン・ズン副首相は、石炭灰などの処理方法について今年3月に関連省庁と議論を行ったとしているが、解決にはまだ時間がかかりそうだ。(シンガポール支局)