西日本豪雨 安倍晋三首相、欧州・中東歴訪中止 災害対応を優先

非常災害対策本部の会合で発言する安倍首相(左から2人目)=9日午前、首相官邸
非常災害対策本部の会合で発言する安倍首相(左から2人目)=9日午前、首相官邸【拡大】

  • 首相官邸で開かれた非常災害対策本部の会合。左から2人目は発言する安倍首相=9日午前

 安倍晋三首相は9日、西日本豪雨を受け、11日からの欧州、中東訪問の中止を決めた。甚大な規模の被害被害や、多数の行方不明者が出ていることを踏まえた対応で、応急・復旧対応に全力を挙げる。

 首相は9日午前に首相官邸で開かれた西日本豪雨に関する災害対策本部会議で、被災者の生活支援を迅速に進めるため、各省庁横断の「被災者生活支援チーム」の設置を指示した。これを受け、杉田和博官房副長官をトップとした次官級のチームを同日中に立ち上げ、10日に初会合を開く。政府は、生活支援物資の供給や仮設住宅の確保など、被災者が必要とする支援を先取りする対応を強化する。

 首相は会議冒頭、「極めて甚大な被害が生じている。実動部隊を7万3千人に増強し全力で救命救助にあたっている。暑さが厳しくなる中、被災者へのきめ細やかな支援は急務だ。支援が確実に被災者の皆様の元に届くよう、国、自治体が緊密に連携して一丸となって迅速に進める」と述べた。また、応急・復旧対応にあたる自治体に対し「しっかりと財政処置を講じる」と強調した。

 政府は9日、小此木八郎防災担当相を団長とする調査団を岡山、広島両県に派遣した。