空輸費上昇、果物輸出に打撃 ベトナム、国際市場で不利に

首都ハノイの路上で果物を売る人々。空輸コストの上昇がベトナム産果物の輸出の障壁となっている(ブルームバーグ)
首都ハノイの路上で果物を売る人々。空輸コストの上昇がベトナム産果物の輸出の障壁となっている(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、航空運賃の相場が周辺諸国より高いことが、果物輸出の足を引っ張っているもようだ。国営ベトナム・ニューズが報じた。地場食品輸出会社の幹部は「マンゴーやリュウガン、ライチ、ドラゴンフルーツといった果物は船では送れないので、空輸している。オーストラリアや日本、韓国などが主要な市場だ」と話した。

 この会社ではタイやマレーシア、シンガポールの航空会社を利用している。ベトナムの航空会社よりコストが2分の1から3分の1程度に抑えられるからだ。それでも、1キロ当たり約1ドル(約112円)の果物に対し、航空運賃は2~3ドルになるという。同社は韓国への輸出をめぐり、タイの輸出業者に価格面で競り負けたことも明かした。

 地場NAフーズ・グループ幹部のグエン・マイン・フン氏も「ベトナム産果物の輸出にとって空輸コストの高さが最大の問題だ」と認める。高いコストの影響で同社の昨年の輸出量はパッションフルーツの約1000トンにとどまったとし、「輸送コストが低下すれば輸出量は格段に増やせる」と述べた。

 輸出コストに関わる問題は、2月に開かれた関連省庁会議で、日本にベトナムの商慣行について助言を行っているカウンセラーのタ・ドゥク・ミン氏によって提起された。同氏は「日本でのベトナム産果物の販売価格はタイ産やエクアドル産よりもずっと高い」と指摘する。高い物流コストを受け、ベトナム産果物は現在、日本と韓国、中国のみに輸出されている。

 ベトナム商工省の高官によれば、米国や欧州向けのベトナム産果物の輸出は、大手企業でも年数千トン程度にとどまるという。

 農業地方開発省の高官は「鮮度の高い果物は空輸しか輸出手段がなく、物流コストが販売価格の大部分を占める。高い空輸コストは国際市場におけるベトナム産果物の競争力を損なっている」と警告した。(シンガポール支局)