中国「2015年」危機の再来か 株安、元下落 政府系シンクタンク警告 (2/2ページ)

 今は「ワイルドカード」とでも呼ぶべき不確実な要因がある。米中貿易摩擦が激化する中で、トランプ米大統領は中国からの輸入2000億ドル相当について追加関税を課す方針を示しており、これが実施されれば中国の経済成長率が最大0.5ポイント押し下げられるとみるエコノミストもいる。

 市場介入は控え目

 世界の投資家は今年、中国株下落をそれほど気にしていないが、元安は確実に注目を集めている。対中エクスポージャーが大きいクアルコムやリオ・ティントといった先進国企業から成る指数は、6月初めに元安傾向が強まって以降、約7%下落している。

 だが15年はずっときつい下げだった。予想外の元切り下げが引き金となり、世界の株式から成るMSCIオールカントリー世界指数は、11年の欧州ソブリン債危機以来となる10%下落の調整局面に入った。中国の需要落ち込み懸念でブルームバーグ商品指数は25%安と、08年以来最大の年間下落率だった。

 中国当局は15年当時、日常的に外国為替市場や株式市場に介入していた。最近はそれほど激しくはないようだ。ステート・ストリートのロンドン在勤マクロストラテジスト、ティモシー・グラフ氏は「15年と似た状況は避けたいと中国が考えていることをわれわれは知っている」と述べた上で、「激しく介入しても機能しないという教訓を得た中国は、そうしたことを市場に任せている」と指摘した。

 15、16両年合わせた中国からの資本流出は推計1兆7000億ドル。そうした流出が今年繰り返されるとの兆しはほとんどない。資本規制の引き締めが、ほとんどの大都市で住宅価格がまだ上昇していることに寄与している。このため持ち家のある本土住民が資産価値の目減りを恐れて本土外に送金する動機は薄い。人民元の下落は最近始まったばかりで、元安が進行すれば、資本流出をめぐる構図が短期間に変わる可能性もある。(ブルームバーグ Sofia Horta e Costa)