高官協議再開探る米中 全面的な貿易戦争回避の思惑は一致 (2/2ページ)

 ただ、高官レベルの協議が再開されても、双方の主張の溝が埋まるかは不透明だ。トランプ政権の高官は10日の記者団との電話会議で、不公正な貿易慣行を行い、米国の知的財産権を侵害した中国側が今回の対立を招いたと主張。また、別の高官は「米国は再三にわたりはっきりと懸念を表明し、交渉による解決を引き続き望んではいるものの、中国政府が行動を改めない」と訴えた。

 米政権内の問題も

 関係者によると、通商問題をめぐるトランプ政権内の勢力争いも問題を複雑にしているようだ。中国との交渉初期には、対中穏健派のムニューシン財務長官が、事実上の経済問題のスポークスマンとして主導権を握っていた。だが交渉のさまざまな段階で、ロス商務長官など、政権内のタカ派メンバーが主導権を握るようになった。

 中国商務省の王次官はインタビューで「5月にワシントンで米中間の貿易交渉が行われた後、米国がなぜ急に姿勢を転換させたのか分からない。交渉は極めてうまく行き、ムニューシン長官はテレビ出演して貿易戦争はひとまず休止だと言っていた。ところがその数日後、中国からの輸入品に対する関税が発表された」と語り、困惑の表情を見せた。

 ホワイトハウス高官によると、米国が先月、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する制裁措置の暫定的な緩和で合意した後、中国側がより多くの譲歩を示さなかったことにトランプ大統領がいらだっているという。大統領は北朝鮮との非核化交渉でも中国側の努力が足りないと考えているという。

 トランプ大統領は9日、「われわれは北朝鮮の非核化で合意した。一方、中国は対中貿易へのわれわれの姿勢を理由に(非核化の合意に)マイナスの圧力をかけている可能性がある。そうではないことを望む!」とツイートした。(ブルームバーグ Seleha Mohsin、Jenny Leonard)