【ユーロ経済学】EU“両面作戦”見えぬ展望 米中貿易戦争「得るものなし」 (1/3ページ)

 米国と中国が貿易戦争に突入する中、欧州連合(EU)が双方に対する両面作戦を展開している。米国とは保護主義的動きに対決しつつ、対話解決も模索する一方、対米連携を求める中国とは一線を画す。ルールに基づく自由な多国間貿易を守る決意だが、2大貿易国のはざまであらがいきれるのか。展望はまだ見えていない。

 保護主義対抗は共通

 トランプ米政権が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限の対象をEUなどにも拡大した6月1日、EUのマルムストローム欧州委員(通商担当)は記者会見で明確にEUの姿勢を示した。

 「世界のプレーヤーがルールを守らねば、多国間システムが崩れかねない。われわれはどこにも肩入れしない」。米国の世界貿易機関(WTO)提訴を表明したマルムストローム氏はこう語り、返す刀で中国を知的財産権の侵害で提訴したことも明らかにした。

 EUも中国もトランプ政権の保護主義に苦しめられる点では同じ立場。だが、政府補助を背景とした中国の鉄鋼過剰生産、外資規制を通じた中国の外国企業に対する技術移転の強要は、かねて米欧が共通に抱える問題だ。米国の行動の背景にも、こうした中国への不満がある。EU関係者は「米国と異なるのは唯一、対処の仕方」と語る。

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