【経済インサイド】日本医師会、「推薦なし」副会長当選の“波乱” 社会保障改革に影響も (2/3ページ)

日本医師会の役員選を終え、松原謙二氏(左端)ら副会長3人と握手する横倉義武会長(右から2人目)=6月23日、東京・本駒込の日本医師会館(桑原雄尚撮影)
日本医師会の役員選を終え、松原謙二氏(左端)ら副会長3人と握手する横倉義武会長(右から2人目)=6月23日、東京・本駒込の日本医師会館(桑原雄尚撮影)【拡大】

  • 日本医師会の役員選を終え、記者会見する横倉義武会長=6月23日午後、東京・本駒込の日本医師会館(桑原雄尚撮影)
  • 横倉義武氏
  • 日本医師会の役員選後の選対本部報告会で、(左から)横倉義武会長、中川俊男、今村聡両副会長とともに当選のあいさつをする松原謙二副会長=6月23日夜、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京(桑原雄尚撮影)

 日医関係者によると、松原氏は今年2月の新専門医制度に関するシンポジウムで問題発言をしたことなどから横倉氏の不興を買い、副会長候補から外された。

 同シンポジウムで松原氏は1970年代に新設された医科大学を、戦時中の医師不足を補うためにつくられた臨時医学専門学校(医専)になぞらえて「質が低い」という趣旨の発言をしたため、各地の医師から反発する声が上がったという。

 松原氏はそれでも副会長選への立候補を強行し、代議員を多数抱える出身母体の大阪府医師会のほか、愛知県医師会などの支援も受けて再選を果たしたという。

 横倉氏の選挙対策本部長を務めた松田峻一良・福岡県医師会長(70)が、6月3日に東京都内で開かれた選対事務所開きで「もしキャビネット(候補者リスト)の1人でも欠けたら『横倉義武、陰りが見えた』と受け取られ、医療政策をやっていく上で非常に困難になってくる」と指摘していたが、その懸念が現実となった格好だ。

 横倉氏は役員選後の記者会見で「松原先生としこりはない。また新しいスタートを切る」と説明したものの、4期目の2年間は、日医内の横倉執行部への批判的な声に、より配慮せざるを得なくなることが予想される。

 横倉氏が今回4選を果たせたのは、診療報酬のプラス改定などを勝ち取りながら、一方で日医にとって不利な制度改革も必要ならば受け入れるといった絶妙のバランス感覚が日医内外で評価されている点が大きい。安倍晋三首相との関係も良好で、社会保障費の抑制を強硬に主張する財務省でさえ横倉氏に一目置いている。それは「頭がよくてカネも持っているタフネゴシエーター」(厚生労働省幹部OB)ぞろいの医師たちのとりまとめ役を横倉氏に期待しているからだ。

神通力に陰り?