改正健康増進法が成立 受動喫煙対策、罰則付きに

喫煙できる場所が多い日本の状況に困惑する外国人旅行客は多い(ブルームバーグ)
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 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が国会で成立した。法律の内容や海外の状況などについてQ&Aで解説する。

 Q 受動喫煙とは

 A 他人のたばこの煙を吸わされることです。たばこの煙には発がん性がある有害物質が含まれ、がんや心筋梗塞、脳卒中などの原因となることが科学的に示されています。受動喫煙を減らすことは世界的な課題です。

 Q どんな法律なの

 A 健康増進法は、健康づくりや生活習慣病の予防のため国や自治体、個人が取り組むべき内容を定めた法律です。これまで受動喫煙の対策は努力義務で、罰則もありませんでした。今回の改正で、多くの人が利用する施設の屋内を罰則付きで原則禁煙としました。

 Q どんな施設が禁煙になるの

 A 学校や病院、保育所の屋内は完全禁煙となります。ただ、飲食店や事務所では、煙が外に漏れないようにした「喫煙専用室」で喫煙できます。客席面積が100平方メートル以下の飲食店は例外として扱われ、専用室を設けなくてもたばこを吸えます。

 Q 世界の状況は?

 A 欧米諸国に比べ、日本の対策はかなり見劣りします。世界保健機関(WHO)によると、飲食店や職場、ホテルなど多くの人が利用する8種類の施設全てに禁煙を義務付けているのは、調査した186カ国中、英国やカナダ、ロシア、ブラジルなど55カ国あります。日本は、改正法の施行後でも完全禁煙となるのは病院など3種類にとどまります。対策への評価は4段階中最低ランクから1つ上がるだけです。

 Q なぜこのタイミングで改正したの

 A 東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月の全面施行を目指しているからです。WHOと国際オリンピック委員会(IOC)は「たばこのない五輪」を推進し、日本に受動喫煙対策の強化を求めています。最近開催した他の国でも、罰則を伴う法規制が導入されています。

 Q 五輪は外国人が多く訪れるから重要だね

 A 喫煙できる場所が多い日本の状況に困惑する外国人旅行客は多いようです。100平方メートル以下の飲食店で喫煙を認める今回の改正では、半数以上の飲食店で引き続き喫煙できることになるとの試算もあります。このため「子供や病気の人を守る法律になっていない」との批判が出ています。日本の文化を体験しようと小さな子供を連れて小規模の居酒屋を訪れる外国人旅行者が不快な思いをすることも予想されます。さらなる取り組みの強化が必要です。