【経済インサイド】問われる「規制改革推進会議」の存在意義 大田議長のリーダーシップは (3/4ページ)

規制改革推進会議で大田弘子議長から放送事業新規参入などについての答申を受ける安倍晋三首相(右)=6月4日、首相官邸(春名中撮影)
規制改革推進会議で大田弘子議長から放送事業新規参入などについての答申を受ける安倍晋三首相(右)=6月4日、首相官邸(春名中撮影)【拡大】

  • 規制改革推進会議で発言する安倍晋三首相(右)=6月4日、首相官邸(春名中撮影)

 就任予定だった人物は、ある大手企業の経営者。既に内示を受け、旧会議議長の岡素之・住友商事相談役(当時)から業務に関するレクチャーも受けていた。

 安倍首相が人事をひっくり返した真意は不明だが、周辺では「首相は気の合う大田氏に任せた方が意思疎通をはかりやすいと考えたのではないか」と噂されている。

 ちなみに経営者はその後、推進会議の委員(発足時14人)に名を連ねたが「やる気をなくし、議論に積極的に関わってこなかった」。委員の中には会議への出席率が極端に低い人もおり、意欲には濃淡があるようだ。

 ところで関係者が不満に思うのは、大田氏が安倍首相との親密さを生かして改革に反対する政治家や業界を説得する方向へリーダーシップを発揮しないことだ。

 政治家や業界との調整で中心的な役割を果たしているのは、推進会議委員の金丸恭文フューチャー会長という。28年11月、急進的な全国農業協同組合連合会(JA全農)の組織改革案を示した推進会議と、猛反発した自民党農林族、JA全農との落とし所に向けてシナリオを描いたのも、菅義偉官房長官や自民党の小泉進次郎農林部会長と緊密に連携した金丸氏だった。

“八百長プロレス”ですら