対米貿易戦争 中国「対抗」も具体策なく 「持久戦」との声も

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 米国が2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税の税率を25%に引き上げる方針を示したことに対し、中国商務省は2日、「国家の尊厳と人民の利益を守るため、対抗措置をとらざるを得ない」との報道官談話を発表した。ただ、具体的な報復措置には触れなかった。交渉による解決にめどが立たない中で、中国は自国経済への影響を慎重に見極める。

 声明は、制裁の一方で米国が中国との交渉を再開する姿勢を示していることにも言及し、「硬軟織り交ぜた策略を弄しているが、何の役にも立たない」と批判。中国は一貫して対話による解決を主張しているとしつつ、「平等な立場と約束の実行」が前提だと強調した。

 これまで中国は米国の対中制裁に対して同規模の報復措置で応じてきたが、今回は有効打がない。というのも、米国が課す関税対象の総額は2500億ドルとなるが、昨年、中国が輸入した米国製品の総額は1539億ドルにとどまっているためだ。一方で、米国への妥協は「今後数十年の中米関係における立ち位置を誤る」(中国紙・環球時報)との警戒感も強い。

 中国はトランプ米政権への対抗策を見いだせず、敵失を待つ受け身の立場に追い込まれている。ただ、米国の対中制裁は自国の農家や産業、消費者も打撃を受けることから、影響が深刻化するのを待つ「持久戦」(同紙)に持ち込むべきだとの声も出ている。

 一方、米国の対中関税引き上げからダウ工業株30種平均が1日下落した流れを受け、2日のアジア株は上海、香港、台北などで売りが膨らみ、指標の大台を相次ぎ割り込んだ。(北京 西見由章)