インドネシア、イスラム市場取り込み ハラル認証、食品以外にも拡大

ラマダン(断食月)が明ける前に衣服を購入するイスラム教徒の女性。インドネシアではハラル認証が食品以外の製品にも広がっている=首都ジャカルタ(ブルームバーグ)
ラマダン(断食月)が明ける前に衣服を購入するイスラム教徒の女性。インドネシアではハラル認証が食品以外の製品にも広がっている=首都ジャカルタ(ブルームバーグ)【拡大】

 イスラム教徒の人口が増えるインドネシアは、イスラム教の戒律に沿う「ハラル」認証が、従来の食品・化粧品以外の製品にも拡大している。現地紙ジャカルタ・ポストが報じた。

 シャープのインドネシア現地法人は、ラマダン(断食月)入り直前の5月上旬に、ハラル認証を受けた冷蔵庫を発売した。同社によれば、「インドネシア初のハラル認証の冷蔵庫」という。食品以外に対するハラル認証の取得に対して消費者からは戸惑いの声も上がっているものの、同社は「冷蔵庫は食品を保管する製品で、ハラル認証は妥当だ」との認識を示している。

 インドネシアのハラル認証機関であるイスラム指導者会議(MUI)では、食品・化粧品以外のハラル認証申請が増加している。2016年にはヒジャブ(頭髪を隠すスカーフ)ブランドのゾヤが、MUIから業界初となるヒジャブのハラル認証を受けたとする広告活動を展開した。これに対し、「他社のヒジャブがハラム(禁忌)製品と受け取られかねない」と同業他社は一斉に反発、同社は謝罪会見に追い込まれた。

 そんな経緯を経て、ハラル認証の対象商品拡大の動きは加速する一方で、洗剤や生理用品、キャットフード、プラスチック容器にも広がっている。

 MUI傘下の食糧・化粧品試験機関(LPPOM)のディレクター、ルクマン・ハキム氏は「食品以外のハラル認証申請が近年増えている。LPPOMの仕事は顧客の質問に評価で答えることだ」と強調した。

 冷蔵庫は、他の製品と同様の基準で評価を実施し、内部のトレーなどの材質や製造工程における汚染の可能性などを検証したという。

 インドネシアではハラル認証製品の数が毎年増加しており、12年の3万2890件から17年には12万7286件に達した。食品以外の製品のハラル認証取得ブームには、インドネシアの巨大なイスラム市場を取り込む狙いがあると地場調査会社は分析する。インドネシアのイスラム人口は、全国民2億6000万人の約9割を占める。同社は「イスラム市場は10年から右肩上がりで成長している。イスラム教徒は衣料や食料品、資金調達方法などについて、一段と神経質になっている」と指摘した。

 従来の垣根を越えたハラル認証にはマイナスの側面もある。南ジャカルタ州在住のティキさんは、食品や化粧品のハラル認証は気にするが、柔軟剤などの製品に対するハラル認証は分かりづらいと語る。「マーケティング戦略なのかもしれないが、消費者間の混乱につながる可能性がある」と話した。(シンガポール支局)