【中国を読む】技術と海外展開の担い手多様化 これまでの産業発展プロセスから考える (1/3ページ)

騰訊(テンセント)の馬化騰董事会主席(ブルームバーグ)
騰訊(テンセント)の馬化騰董事会主席(ブルームバーグ)【拡大】

 中国企業のイノベーションや海外展開に世界の注目が集まっている。通信設備メーカーの華為(ファーウェイ)や大手インターネット企業の阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)、急成長スタートアップ(革新的な企業)の滴滴出行(ディディ・チューシン)などの名前を聞かない日はない。出自の異なる多様な企業群が、中国経済の変化を象徴する存在になった。注目を集めるIT・エレクトロニクス分野を対象に、イノベーションや海外展開の担い手の多様化を、これまでの産業発展プロセスから概観したい。(ジェトロ・アジア経済研究所 木村公一朗)

 経済の変化

 1978年からの改革開放によって漸進的な経済自由化が始まると、多くの家電や通信設備のメーカーが1980~90年代、市場拡大の機会をつかむため参入した。ファーウェイやパソコン大手のレノボ、家電大手の海爾(ハイアール)などだ。

 2000年代半ばの賃金高騰や国内市場飽和などの事業環境の急変で、さらなる成長にはイノベーションや海外展開が必須となった。技術変化の速い通信設備業にいたファーウェイは、1990年代からR&D(研究開発)を行っていた。

 一方、技術的に成熟した産業にいたレノボやハイアールは、新興国企業との競争などで事業継続が困難になった先進国企業やその事業を対象にした大型クロスボーダーM&A(企業の合併・買収)を通じて、R&D能力や海外展開力を向上させた。

変身できたところと、できなかったところで二極化