【経済インサイド】窓口バラバラの通商交渉…日本版「通商代表部」は必要か (2/4ページ)

3月8日、TPP署名式後に会見する茂木敏充経済再生担当相(中央)=チリ・サンティアゴ(高木克聡撮影)
3月8日、TPP署名式後に会見する茂木敏充経済再生担当相(中央)=チリ・サンティアゴ(高木克聡撮影)【拡大】

  • 茂木敏充経済再生担当相=東京都千代田区(桐山弘太撮影)
  • 世耕弘成経済産業相
  • 河野太郎外相

 2003年、当時の平沼赳夫経済産業相が閣議後の記者会見で、「USTRのように専門的知識を持つ新たな組織を日本にもつくり、21世紀の通商政策を機動的に行う必要がある」と述べ、外務省、経産省、農林水産省などが通商交渉にのぞむ体制に限界があるとした。日本経団連も04年、日本版USTRの設置検討を提言している。

 官民から日本版USTRを求める声が上がったのは、逆に言えば、通商交渉で各省庁の利害が衝突し、思ったような成果を得られなかった過去があるからだ。かつては「省庁によって主張が異なり、相手国が戸惑う場面もあった」(政府関係者)という。

 今はどうか。

 11カ国によるTPP11は内閣官房のTPP等政府対策本部、日欧EPAは外務省、RCEPは経産省が交渉窓口となっている。窓口がバラバラとはいえ、TPP11と日欧EPAは署名にこぎ着け、それぞれ来年の発効が見込まれている。RCEPも年内の妥結が視野に入っており、それぞれ交渉の成果をあげている。

 交渉窓口は異なるものの、全体を見渡す司令塔の役割を首相官邸が担うことで、「省庁間で連携が取れている」(経済官庁幹部)ことが、成果を出せた要因の一つといえそうだ。

「“交渉屋”はいらない」