【経済インサイド】窓口バラバラの通商交渉…日本版「通商代表部」は必要か (3/4ページ)

3月8日、TPP署名式後に会見する茂木敏充経済再生担当相(中央)=チリ・サンティアゴ(高木克聡撮影)
3月8日、TPP署名式後に会見する茂木敏充経済再生担当相(中央)=チリ・サンティアゴ(高木克聡撮影)【拡大】

  • 茂木敏充経済再生担当相=東京都千代田区(桐山弘太撮影)
  • 世耕弘成経済産業相
  • 河野太郎外相

 「“交渉屋”はいらない」。ある政府関係者はTPP11などの成果を背景に、日本版USTRの可能性をきっぱり否定する。

 なぜか。例えば経産省であれば、通商政策局が、業界を束ねる同省製造産業局や他省庁とも緊密に連携し、全体の国益を考慮に入れ交渉を進めていく。こうしたやり方は、外務省や農水省にもあてはまる。

 ところが、交渉だけを専門に手がける組織であれば、目先の成果だけが目的になり、「逆に国益を損ないかねない」(政府関係者)というのだ。

 実際、自民党内では01年以来の省庁再々編を視野に入れて議論が進められているが、日本版USTRについてはテーマにあがっていないようだ。

 むしろ、今後主流になりそうなのが、TPP11の交渉を手がけたTPP等政府対策本部のような方式だ。同本部は各省庁からえりすぐりのメンバーを集めて、内閣官房に作られた。メンバーが出身母体の省庁と連絡を取り合いながら利害を調整。一枚岩となることで、各国の思惑が複雑に絡み合い“ガラス細工”にも例えられるTPP11の難しい交渉をまとめた。

 今後、日米の通商交渉で焦点になるのは、近く開催を予定する「FFR」と呼ばれる新しい通商協議だ。

通商交渉における試金石に