製薬大手、中国にシフト 新薬承認手続き簡素化で米より重視 (1/3ページ)

 世界の大手製薬会社が米国市場よりも中国市場を重視し始めている。巨大市場を形成しているうえ、昨年に中国が新薬の承認手続きを簡素化したためだ。英アストラゼネカは新しい貧血治療薬を上海と北京の薬局に米国の各都市より1年ほど早く投入するほか、中国企業と結腸がんの薬を製造している米イーライリリーも同じ方針だ。このため、中国人患者の間では「米国人より先に画期的な新薬を使うことができる」との期待が広がっている。

 20年後には規模逆転

 昨年まで中国での新薬承認プロセスは厄介で、多くの処方薬が本土で利用できなかった。中国当局によれば、2001~16年において先進国で認可された新薬433のうち中国で認められたのは3分の1以下だった。

 しかし、中国は17年10月、新薬承認を求める製薬会社に課していた治験を中国でも行う必要があるとの義務規定を廃止。政府が進める改革の一環であるこの決定が世界の医薬品市場をめぐる状況を一変させつつある。米国に先行してではないにせよ、大手製薬会社は超大型新薬を人口14億人の巨大市場である中国に米国と同時に投入することができるようになった。

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