【山本隆三の快刀乱麻】EV、PV…株式投資、どちらが有利か (5/5ページ)

 また、買い取り価格を毎年減額しているものの、再生エネの設備量と発電量が急増し、買い取り負担も大きくなってきた。このため、中国・国家発展改革委員会などは5月31日、買い取り価格の減額とともに、大規模太陽光発電設備からの買い取り中止など、制度の見直しを行った。その結果、太陽光発電設備の導入に大きなブレーキがかかり、太陽光パネルメーカーの株価も影響を受けた。

 ニューヨーク株式市場に上場する中国の太陽光パネルメーカーの株価は、供給過剰によるパネル市場の悪化を受けて低迷していたが、太陽光発電市場が順調に拡大していることから、値下がりに歯止めがかかっていた。しかし、中国政府の制度見直しでパネルの需要が減少し、世界のパネル市場に70%強を供給している中国メーカーも大きな影響を受けるとみられている。

 中国のインリー・グリーンの株価は下落を続けていたが、同社株はニューヨーク証券取引場の上場基準を維持できなくなり、6月29日には同市場での取引が中止され、店頭市場に移設された。同社株価は図のように推移している。

 環境ビジネスの成長は一筋縄ではいかない。多くの環境ビジネスでは、政府の産業政策や制度による支援が必要である。そのため、政策、制度の変更というリスクが付きまとう。環境ビジネスに関係する企業は、他のビジネスとは異なるリスクがあることを意識した事業展開を行う必要がある。

【プロフィル】山本隆三

 やまもと・りゅうぞう 常葉大学経営学部教授。京大卒業後、住友商事に入社。地球環境部長などを経て、2008年プール学院大学国際文化学部教授、10年から現職。財務省財務総合政策研究所「環境問題と経済・財政の対応に関する研究会」、経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。現在、国際環境経済研究所所長、NEDO技術委員などを務める。著書に『経済学は温暖化を解決できるか』(平凡社)、『夢で語るな日本のエネルギー』(マネジメント社)など。