「先送り狙っているわけでは…」焦燥感強める日本 新通商協議、打開策見いだせず (1/2ページ)

日米の新たな閣僚級貿易協議に臨む茂木経済再生相(右)とライトハイザー米通商代表部代表(手前左)=9日、ワシントン(代表撮影・共同)
日米の新たな閣僚級貿易協議に臨む茂木経済再生相(右)とライトハイザー米通商代表部代表(手前左)=9日、ワシントン(代表撮影・共同)【拡大】

  • 記者団の取材に応じる茂木経済再生相=10日、ワシントン(共同)

 FFRの初会合で、日本は米国が迫る2国間によるFTAの交渉入りはかわしたものの、米側が検討する自動車輸入制限の回避では明確な成果は得られなかった。今後も協議は継続されるが、強硬な姿勢を崩さないトランプ米政権に対して有効な打開策は見いだせていない。米側が中間選挙に向け対日圧力を強めることが予想される中、日本側には焦燥感も強まっている。

 「結論の先送りを狙っているわけではない」。FFR初会合を受け、経済官庁の幹部はため息をつく。

 トランプ政権が検討する自動車輸入制限の発動が迫る中、協議を先送りするだけでは日本は追い詰められる。初会合には財務省や農林水産省など各省から次官級が参加し、「アイデアを各省から出してもらった」(政府高官)。

 ただ、交渉カードは限られ、手詰まり感も漂う。

 日本は米国を除くTPPを早期に発効させ、米国を含むTPP交渉で合意した内容以上は譲歩できないとする「防波堤」にしたい考えだ。ただ、発効は来年初めが見込まれ、11月の中間選挙前の成果を目指すトランプ政権への牽制(けんせい)としては即効性に乏しい。

 日本は米国からの圧力をかわすため、米国産エネルギーの輸入増加や対米投資の拡大も検討するが、トランプ政権にどこまで通じるかは未知数だ。

 米側が求める農産品などのさらなる市場開放では、来年夏の参院選を控え譲歩は難しい。

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