経営トップの急死が示す企業リスク 「重病1年」、FCAの場合 (1/2ページ)

急逝したFCAのセルジオ・マルキオンネ前CEO(ブルームバーグ)
急逝したFCAのセルジオ・マルキオンネ前CEO(ブルームバーグ)【拡大】

 スイス・チューリヒの病院は7月25日に死去したフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の前最高経営責任者(CEO)、セルジオ・マルキオンネ氏について、1年余り前から重病だったとの衝撃的事実を明らかにしたが、これによりある明白な疑問が浮上する。仕事中毒でチェーンスモーカーの同氏がどうやって社の幹部らの目から病気を隠し通せたのかという点だ。

 臆測受け異例公開

 FCAは翌26日、マルキオンネ氏が今年の夏に肩の手術を受ける前の同氏の健康状態に関する事実を「把握していない」とし、「7月20日に当社はマルキオンネ氏の家族から、同氏の状態が極めて悪化しており、そのため仕事に復帰するのは不可能だと、細部の説明なしに伝えられ」「翌日に適切な措置を講じ、公表した」と明らかにした。

 マルキオンネ氏の突然の死去と、FCAからの情報提供が乏しかったことから、メディアの間では同社がどの程度把握し、何を開示すべきだったのかについて臆測が広がった。チューリヒの病院は26日、マルキオンネ氏の治療をめぐる「メディアの噂」を払拭するため、院内の規定を破って発表資料を公表。「重病のため、彼は1年余り前から繰り返し治療を受けてきた。最先端医学が提供する全ての選択肢を行使したかいもなく、マルキオンネ氏は残念ながら亡くなった」と説明した。

公私の見極め困難