経営トップの急死が示す企業リスク 「重病1年」、FCAの場合 (2/2ページ)

 FCAやフェラーリなど、同氏が経営首脳を務めていた会社の株主はマルキオンネ氏の状態を知らされていなかった。マルキオンネ氏の家族が電子メールで確認したところでは、各社も、仕事への復帰は不可能だと20日に伝えられるまで同氏の健康状態を知らされていなかった。マルキオンネ氏はこの1年も過酷なスケジュールをこなしながら経営を続け、6月1日には自ら策定の監督に当たったFCAの新5カ年計画を発表していた。

 公私の見極め困難

 マルキオンネ氏をめぐる今回の一連の動きは、企業のCEOに関しては、健康は個人的な問題にとどまらないことを改めて示した。米コンファレンス・ボードのガバナンス・センターでエグゼクティブディレクターを務めるダグ・チア氏は、CEOが重病になった場合、取締役会はいつ何を公表すべきかという一連の複雑な問題に対処しなればならないと指摘。「医療上のプライバシー問題がある上に非常に個人的なことであるため、率直に言って判断が難しい状況だ」とした上で、経営者の将来が危険にさらされているときには通知を受けると株主が期待するのは間違っていないが、「それが具体的にいつの時点かを判断するのは非常に難しい」と述べた。

 FCAは7月5日の発表で、具体的病名は示さずにマルキオンネ氏は肩の手術を受けたが、回復には長い期間は必要としないと説明していた。

 イタリアメディアは、マルキオンネ氏はがんを患っていたと示唆した。しかし、同氏に近い複数の人物はブルームバーグに、がんというのは間違いだと語った。ただ、家族がプライバシーを望んでいるとして、直接の死因は手術後の心不全だという以外、詳細は明らかにしなかった。(ブルームバーグ Gabrielle Coppola、Tommaso Ebhardt)