【日曜経済講座】人手不足で注目のキャリア層 45歳以上は現代版「金の卵」 フジサンケイビジネスアイ編集委員 大塚昌吾 (3/5ページ)


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  • 埼玉県内の組み立て工場で働く従業員ら。45歳以上の中高年層には、培った経験などを生かした専門能力の発揮が期待されている(ロイター)

 65歳定年に移行済みのオリックスは「45歳は、まだ会社人生の折り返し点に過ぎない」(グループ人事部)とし、やりがいや思い入れのある希望の部署で専門能力を思う存分発揮してもらい、社員の定着と生産性向上を狙う。

 大和証券は平成27年度から、45歳以上の社員を対象にeラーニングなどを利用した研修プログラムを始めた。受講すれば「ライセンス」としてポイント化され、外部資格の取得とも合わせて55歳以降の給与に反映、役職定年などの減収分を補填(ほてん)できる。受講者は導入時の700人から1600人に、受講した講座数は延べ5300から1万5500に増えた。

 29年度には、リテール(個人顧客)営業を担当する社員の雇用上限(定年)撤廃にも踏み切った。現在、65歳以上3人、予備軍の60歳以上も20人を超える社員が上席アドバイザーとして活躍。顧客の年齢層も上がっており、「同世代の起用が営業戦略上もプラスと判断した。本人の意欲と能力があれば、いつまでも働き続けられる」(人事部)。

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