廃業か再建か、豪雨で揺れる被災地の商店 高額の再建費、後継者問題…募る不安 (2/3ページ)

 被災地11府県には災害救助法が適用されたため、大半の銀行や信用金庫などから低利で資金融資を受けられるようになった。被災自治体も独自の支援策を設け、倉敷市では豪雨を受け、小規模事業者に最大で2500万円、中小企業に最大で5千万円を低利で融資する緊急融資制度を創設した。

 しかし、事業者の不安は当座の資金面だけではない。真備町箭田の文房具店「太田文具」店主、太田(おおた)芳子(よしこ)さん(77)は、市や国の資金融資制度の活用を検討しているが、「店舗の改装費や商品発注の負債を抱えて店舗を再開しても、真備町の人口が減れば売り上げも落ち、返済も難しくなる」と将来への不安を隠さない。

 後継者問題もある。美容室の廃業を決めた樅野(もみの)フサ子さん(71)=同町川辺=は「後継ぎもいないため、いずれ店は閉めようと思っていた。豪雨で設備も全滅し、無理に再建しても近い将来、体力的に営業を続けるのが難しくなるのであれば今回廃業しようと思った」と話した。

政府の対応、現場の訴え