【SDGs】国連広報センター・根本かおる所長 「日本社会と親和性高い」

インタビューに応じる国連広報センターの根本かおる所長(佐久間修志撮影)
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 SDGsの取り組みの広がりについて、国連広報センターの根本かおる所長に聞いた。

 --日本におけるSDGsの浸透度合いは

 「まだ認知度は約15%と高いとはいえないが、一度SDGsについて理解すれば、共感できるという比率は平均7割を超えており、今後の広がりには可能性を感じている」

 --SDGs推進に向け日本人の強みは

 「平成28年5月に全閣僚が参加する推進本部ができて、実施指針を策定した。さらに民間企業・団体の優れた取り組みを表彰する制度ができるなど、しっかり枠組みを作るという点では世界でも抜きんでている。今後は魂を入れる作業が必要になってくる。日本政府も意識しており、来年の国連の首脳級会合を念頭に『日本モデル』を構築しようとしている」

 --お笑いの吉本興業との連携しての普及活動はユニークな取り組みだ

 「SDGsや国連というのは遠い話題に思われがちで、一般の方に振り向いてもらうには仕掛けが必要。日本のお笑い芸人は司会もなさり、コメンテーター、アーティストでもあるので、力をお貸しいただきたいと連携を申し出た。イベントで10歳の女の子に聞いたら、好きな芸人に会いたいから来たと。SDGsは知らなかったけど、何となく覚えたかなって。それでいいのではないか」

 --SDGsの理念は日本人にしっくりきそうか

 「自然と対峙(たいじ)するのではなく、共生するという考えは日本社会に色濃くあるので、親和性は高いと思う。ビジネスの世界でも三方よしという考えがある。売り手よし、買い手よし、世間よし。これに将来よし、地球よしとすればSDGsだと思う」

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