トルコの追加関税「非常に遺憾」 米政府、牧師の釈放を重ねて要求

トルコで拘束されているアンドリュー・クレイグ・ブランソン牧師(中央)(AP)
トルコで拘束されているアンドリュー・クレイグ・ブランソン牧師(中央)(AP)【拡大】

 【ワシントン=加納宏幸】ペンス米副大統領は15日、米国人のブランソン牧師がトルコで自宅軟禁されている問題で、「トルコは間違って収監された米国人を帰還させるトランプ大統領の決意を試さない方がいい」とツイッターで警告し、釈放を強く求めた。

 サンダース大統領報道官も同日の記者会見で、トルコ政府が乗用車やアルコール類など米国産品に追加関税を課すと発表したことに対し、「非常に遺憾で、間違った方向に進む措置だ」と批判した。

 サンダース氏は、トルコ側の報復措置の原因となった、米国による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税の倍増は国家安全保障上の措置であり、「ブランソン氏が釈放されても解除されない」と強調した。他の制裁措置は釈放後に解除する可能性を示唆した。

 トルコ通貨リラの急落で同国の経済状況が悪化していることは「トルコの経済問題は長期的なトレンドであり、米国が取った行動の結果ではない」とし、追加関税や制裁によるものではないとの認識を示した。

 国務省のナウアート報道官は記者会見で一般論として、米政府はいつでも追加制裁を実施できる状態にあると述べた。トルコの裁判所がブランソン氏の自宅軟禁の解除を求めた請求を退けたことに関しては、「非常に失望している」と語った。