【専欄】中国観光ツアーの“強制消費”はなくならない? (2/2ページ)

※画像はイメージです(Getty Images)
※画像はイメージです(Getty Images)【拡大】

 北京晨報の記者は「北京・承徳2日間」のコースに参加した。メインである避暑山荘見学にあたり、ガイドが突然、一人150元を支払えと言う。園内バス、遊覧船、ボートの費用なのだそうだ。事前にそんな説明を受けていないと抗議すると、「これらの交通手段を使わないと、集合場所にたどり着けない。別の出口に行ってしまった場合、あなたを迎えに行くことは不可能だ」

 そして十年一日、変わらないのは強制ショッピングである。「十三陵では降りて見学する時間はないと言われ、バスで通過しただけ。土産物店に直行した」「観光地では時間がないと言われ、一分一秒も惜しんでせかせるのに、土産物屋では飽きるほどの時間を取っている」「土産物屋に向かうバスで、ガイドが『是非買い物して私の仕事に協力してほしい』と言った」

 専門家によると、旅行問題を扱う部門は、旅行局・公安局・工商部・交通局・城管(都市管理監督)局などと多岐に渡り、一律に管理することは難しいと言う。しかし、強制消費の横行は、首都北京のメンツにもかかわる大問題である。

 市場経済化は国の発展を促し、人々の生活も豊かにする。しかし、お金に対する欲望が、いびつな形で出現しているのも事実で、強制消費もその一つである。今年も秋の旅行シーズンを迎えるが、解決の糸口さえ見いだせないままというのは、なんとも不安である。(ノンフィクション作家・青樹明子)