英ＲＢＳに制裁金５４００億円　米司法省、金融危機時不正めぐり和解

　米司法省は１４日、金融危機のリーマン・ショックのきっかけとなった住宅ローン担保証券の販売をめぐり、英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）が４９億ドル（約５４００億円）の民事制裁金を支払うことで和解したと発表した。

　金融危機時の不正をめぐり、米司法省が科す金融機関への制裁金では過去最高額としている。司法省はＲＢＳが不正に販売したと主張しているが、ＲＢＳは認めていない。今回の制裁金とは別にＲＢＳは昨年７月、米連邦住宅金融局（ＦＨＦＡ）に５５億ドルを支払うことで和解したと発表していた。

　司法省は、ＲＢＳが２００５～０８年、住宅ローン担保証券の担保となった住宅ローンについて、実際よりもリスクが小さく見えるような不正確な情報を提供するなどして、投資家や退職年金基金に数百億ドルの損失を発生させたと主張している。

　リーマン・ショック前は、信用力の低い人が対象の米国のサブプライムローンを組み込んだ住宅ローン担保証券が世界中に流通。米住宅バブルの崩壊で暴落し金融危機を引き起こした。

　米当局は、リスクを適切に説明しないまま販売したのは不正だとして、さまざまな金融機関に制裁金の支払いを求めてきた。司法省は今月１日にも米金融大手ウェルズ・ファーゴが２０億９０００万ドルの民事制裁金を支払うことで和解したと発表した。（ニューヨーク　共同）