EV向け電池の国際競争活発化 次世代電池の開発、日本は“産官学”で巻き返し (1/2ページ)

 自動車の電動化に向けた動きが活発化する中、電池をめぐる競争が激しくなっている。現在主流のリチウムイオン電池では、韓国や中国のメーカーに押され、日本企業のシェアは2013年の75%から16年には31%に大幅縮小した。日本は次世代電池の開発を産官学で進めて巻き返す考えだ。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の普及台数は17年、前年に比べ5割以上多い310万台と大幅に増えた。欧州や中国、米国の一部で環境規制が厳しくなっているためで、IEAは「現在の政策が続けば30年に1億2500万台に達し、さらに対策が進めば2億2000万台になる」と予想する。

 普及の鍵を握るのは電池だ。1991年に実用化されたリチウムイオン電池はスマートフォンなどで広く使われ、EVでも利用される。エンジン車と比べて1回の充電で走れる距離が短く、自動車業界からは「電池の価格が車全体の3分の1を占め、コストを押し上げている」との声も。販売拡大には新たな大容量電池の開発が急務となっている。

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