【高論卓説】リーマン・ショックから10年 再来の下地十分、株式相場は警戒 (1/3ページ)

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 リーマン・ショックから間もなく10年になる。「100年に1度の危機」と言われたショックの衝撃は大きかった。ダウ工業株30種平均はリーマン・ブラザーズが破綻した直後の2008年9月15日、前週末比504ドル下げた(4.4%安)。その後も下げ止まらず、09年3月の6400ドル台まで下げ続けた。日経平均株価も08年9月16日に同605円下げ(4.9%安)、09年3月には7000円台の安値を付けた。日米の株価指数はリーマン・ショック直前の水準から約半年で40%余りも下げた。

 それが、である。ダウ工業株30種平均は今年1月に2万6600ドル台に駆け上がり、史上最高値を更新。週明けには2万6000ドル台を回復した。プロの投資家が重視するS&P500種株価指数は先週、史上最高値を更新した。日経平均株価も今年1月に2万4000円台を回復し、バブル崩壊後の戻り高値を更新した。

 リーマン・ショック後の日米株価指数の上昇を牽引(けんいん)したのは中央銀行の大規模な金融緩和策だ。市場に大量のマネーを供給した。中央銀行による市場への大量のマネー供給は、日米にとどまらず中国、EU(欧州連合)など世界に広がった。

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