次官級による米中通商協議が大きな進展なく終了した。もし、米国の本音が「技術移転」の中止にあるなら、米中による早期の合意形成は難しいだろう。2000億ドル(約22兆2000億円)の中国製品を対象とする25%の追加関税発動を検討する手続きが9月上旬にも終了した後、実行される可能性がかなりありそうだ。
マーケットには、22、23日の米中次官級協議に対する大きな期待感があった。仮に明確な合意が公表されなくても、その次のステップとして閣僚級協議が設定され、さらに最終的にはトランプ大統領と習近平国家主席とのトップ同士の会談で、決着が図られるというシナリオだ。
当然ながら、米国の2000億ドルの関税実施は取りやめとなるというのが、市場の楽観的見通しの「骨格」といえる。
しかし、協議終了後、米政府高官は、知的財産権侵害や中国政府の企業への補助金など米側の指摘に中国側が対処していないと述べた。
一方、中国商務省は24日に声明を公表し、その中で建設的で率直な意見交換が行われ、両国は次のステップに向けて接触を続けるとした。